【フィトンチッド】緑の山がなぜ青く見えるのか?山は大きな大きな殺菌室!!
もくじ ――
お世話になっております。
うずめコラム第2号です。
日本語の「青」の概念は非常に広いですよね。たとえば、緑の信号を「青信号」だったり緑のりんごが「青りんご」と言われたり。
森に関していえば、紅葉の季節を除けば、緑にしか見えないはずだと思う人がいるかもしれません。たしかに、近距離で見ると緑にしか見えません。
しかし、ある程度距離をとって遠くから見ると、その同じ山々が今度は青く見えるのです。
山は空気があるから?
実際に、山間部で育った方や山歩きを好む人なら「青い山」が単なる言葉の綾ではなく、事実だということを知っているみたいです。
それでは、なぜ緑の山が青く見えるのか。それは空気があるからなのです。
空気中には、さまざまな物質が浮いているのです。
空気中の物質ってなに?
炭素や窒素、これらの化合物、細かい砂やさまざまな塩類から水滴、小さな生物が混ざっています。また、山や森林は特殊な物質が飛んでいるみたいですよ。
光の波長が関係する
物体の色が見えるのは厳密に言うと、物体のもつ色が反射して視界に入ってくるためです。また、色によって波長の長さがあり、赤は長く青色になるにつれて短い波長になります。
夕陽が赤いのは長い波長が滞りなく視界に入ってきているためです。ほかの色は途切れているということですね。
雲があると晴天の空を見ることってできないですよね。
特に、夕立の時の黒い曇って実は太陽光の光が目に入ってこれないほど物質が詰まってる分厚い雲だということがわかりますよね。
青は緑より波長が短い
緑は赤より波長は短いですが、青は緑よりもさらに短い波長なので、空気中の物質をの越えられず、散乱してしまうんです。
この散乱した青い光を通して山を見るため、緑の山が青く見えるのです。
青い色を散乱させる物質は何か
実は山の空気は植物が出した芳香物質で満ち溢れています。
何千本、何万本もの樹木がある大きな森や山では、これらの物質が青い靄となって付近一帯を覆っています。
ジャワやスマトラの乾期では、ものすごく靄が発生するため山がすごく青色に見えるらしいです。その代わり星空は、四等星と五等星は見えなくなるみたいです。
植物の不思議な殺し屋「フィトンチッド」
植物はなんのために、青くみえる物質を発散させるのでしょうか。
植物の最大の敵は空気中にいる無数の微生物だからです。
植物は動物と違って逃げることができないため、その場にとどまったまま、微細物たちに抵抗しなければなりません。
自分を守るための抵抗物質
それら微生物に抵抗するための物質を、ソ連時代、レニングラード大学のB・P・トーキン教授はフィトンチッドと呼びました。
植物を意味するフィトン、殺すを意味するチッド。
英語ではファイトンサイドというみたいです。
微生物が死滅します
シラカバやカシ、オレンジの葉、トドマツやネズの針葉、シャクヤクの若い根などでのさまざまな植物で実験をしました。
それぞれ数ミリ~数センチ離れたところに顕微鏡でしか確認できないようアメーバ、滴虫類などの微生物をおきました。すると、早いものではあっという間に死滅し、五分から二〇分ですべての微生物が死滅するという結果がでました。
フィトンチッドは単なる殺し屋ではない
広葉樹林と針葉樹林どちらも同じ量のフィトンチッドを散乱させます。1ヘクタールのネズの森は昼夜で30キログラムのフィトンチッドを出すと言われております。
それは、大都会の隅々にまでいる微生物を死滅させるのに十分な量とのことです。
日本の森林は国土の約7割:約2500万ヘクタールの面積があります。殺菌大国ですね。世界中からきれいな国と言われる理由も必然な気がします。
殺菌・消臭・抗酸化・リラックス効果
微生物の発生を抑えることから、ものが腐るのを防いだり老化防止の効果もあるみたいです。ハイキングしている人って若々しい人おおいですよね。
ほかにも細菌の活動を改良したり、その繁殖を早めたり、また高等植物からのフィトンチッドの中には、ビタミンのように生理的機能を促進させる働きがあることもわかっています。
健康になるために、青い光の闇に飲み込まれていきましょう。