日帰り可能「檜原都民の森」で森林浴!都内で電車とバスだけで自然の穴場へアクセス
もくじ ――
アクセス:JR武蔵五日市駅 → バス → 数馬 → バス → 都民の森
「JR武蔵五日市駅」からの急行バスを利用で数馬で乗り換える必要がありません
秩父多摩甲斐国立公園の一角である三頭山。三頭大滝へ繋がる 「森林セラピーロード(大滝の路)」から珍しいブナ林をたのしめる定番コース「ブナの路」に足を踏み入れます。檜原都民の森には林の性質によって分けられた5つのゾーンがあり、だれでも気軽に自然体験ができる散策コースも配備されています。
記事の最後の【知識の森】で「都民の森」をより楽しめる情報をまとめているのでお見逃しなく!
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①いざ、入り口から森林館へ -5分-
コース:駐車場(入口)森林館 → 大滝の路 → 三頭大滝 → ブナの路 → ムシカリ峠 → 三頭山 → 展望台 → 見晴小屋 → 鞘口峠 → 森林館
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駐車場には売店やトイレ、休憩所があるのでゆっくり周って、高地に身体をならすのもいいですね。
入り口前には 登山届を提出できる場所がありますので、時間がある人は絶対に出しましょう。
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②森林館
森林館で動植物に関する情報集めができます。数馬の湯の割引券 を配っているだとか。。。
隣接する 木材工芸センター でキーホルダーや手型抜きなどの製作ができ、5分ほど歩いた先には 炭焼き小屋 や 野鳥観察小屋 もあるので、家族連れの方でも十分満喫できます。
森林館から森林セラピーロード(大滝の路)へ -20分-
「都民の森」は林の性質によって5つのゾーンにわかれており、その上に敷かれたブナの路コースが定番となっています。
森林館を基点にさまざまな散策路が広がっており、そのひとつの「大滝の路」から平坦なウッドチップの遊歩道を歩くと、周囲には落葉樹のミズナラが目立つ森が広がっています。川の向こうには尾根部を中心に濃い緑の針葉樹のモミやツガが色を出しているのがわかります。
大滝の路(森林セラピーロード)の途中に、ビューポイントがあります。
森林に敷かれたレールのさきには、三頭大滝が水音を叩き鳴らしながらマイナスイオンを放って待っています。
③【三頭大滝】 ‐ヤマグルマと枯れることのない水‐
途切れることのない滝の水から、山の保水量がわかりますね。落差35メートルから流れ落ちる滝を、吊り橋から眺めることができます。
滝の周辺には 関東ではあまり見られない常緑広葉樹のヤマグルマ が水分を求めて岩を囲うように生育しています。モクレン科の植物は実と花が特徴的な古い形態であり、ヤマグルマはその一種なのです。
滝見橋 を眺めながら、 大滝休憩小屋 でゆっくりするのがいいですね。わたしはおにぎりをひとつ滝の音をおかずに、マイナスイオンとともにおにぎりを頬張りました。
つぎは 「ブナの路」 を進んでいきます。
④【三頭沢】湿性立地の多様な植物に触れ合う -30分-
15分ほどすすむとテラスがあるので、ブナを眺めながら涼しい沢の空気に包まれて休憩をすることができます。
沢の魅力をもっと感じることのできる 情報(知識の森)が記事の最後にありますのでぜひお読みください!
⑤ムシカリ峠・富士を眺める立派なブナ -15分-
沢を登りきると、風景が一気に変わるのがわかりますね。景色をたのしみながらブナの路をすすんでいきます。
途中すてきな色をみせるツバキもちらほら散見できます。富士を眺めるこの巨木ブナをみつけたらあと少し。
三頭山山頂 ‐3つの頂上から絶景を‐
そもそも 3つの頂上があることから、三頭山を呼ばれる ようになりました。西峰(1,527m)・中央峰(1,531m)・東峰(1,528m)があり、こちらは 西峰です。
山頂は明るく周囲はブナ林となっています。山頂付近は笹がありませんでした。これは、気候・地形・土壌の条件から笹が生えにくい環境 だったという理由からなのです。
頂上からは富士山から雲取山、奥秩父山塊、丹沢山地の姿が確認でき、秩父多摩甲斐国立公園の景色を一望できます。
東峰からは、都心の東京スカイツリーがみえますので、現実逃避から一瞬にして現実に戻される気分になります。都心の方だけ照らされているのも、実に皮肉ったらしいですね。
次は山頂から東に向かって、再び「ブナの路」へ戻ります!
鞘口峠(さいぐちとうげ)‐人々を支えたクリの林たち‐
標高1300メートル付近から鞘口峠1142メートルまでの間に、高さ15~18メートルのクリの木をたくさん確認できます。樹齢が80年以上のクリの木たちは曲がっているため、用材利用にのこされていたとは考えにくく、昔、山に住んでいた人々がクリの実採取をして過ごしていたものかもしれません。
鞘口峠の途中では 樹高20メートル、直径150センチの大きなイヌブナが確認でき、東京都に生息しているイヌブナの中で最大級 です!
坂を下り、スギの人工林を超えていくと 「森林館」 へと戻ってこれます。お疲れさまでした!
森林館の周辺では、昔の山での生活の一端に触れることができます。この記事では紹介しきれていませんが、木材工芸センター、炭焼窯、ワサビ田が注目です!時間があれば寄ってみましょう。
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「都民の森」をより楽しむための知識の森
三頭沢沿いのブナの路「樹木のすみわけ」
この沢周辺は数十年に一回のペースで大洪水がおきて、定期的に破壊されてしまうため、周囲の岩にはコケの付着がありません。現在では低木や草本がすっかり回復しているのが確認できます。
一方で、洪水の影響を受けない場所は木々の高さが25~30メートルで直径140センチ以上の大きなカツラやサワグルミが見られ、下には湿った地域の植物が多く生育しています。
登る途中の沢沿いの__標高1200メートル付近__では傾斜が緩くなり、シオジの大木 が見ることのできる場所があります。その周辺には同じくらいの高さのカツラやサワグルミが立っている姿を確認することができます。
狭い渓谷でも、わずかな立地の違いで樹木の 「すみわけ(植物同士の成長の影響を受けないように、時間や場所を変えたり生活の形や成長の形をずらして生活すること。)」 が見られます。
サワグルミの高木の下近くの少し土砂がたまったところで、次世代の若いサワグルミが群生しています。ここまでで自然の力の大きさについて理解していただけたと思います。一方で沢から離れた少し斜面を登ったところにはミズナラ、モミ、オニイタヤなどの__落葉樹林__があります。ところが、__その下層には草本類がまったくないのです。これは最近増加した鹿による食害の影響__なのです。これも自然の力の一つなのだろうかといった疑問でもありますね。
鹿の食害!?
ここでは「防鹿柵」が設置されているところを除いて、林内には植物がない。
防鹿内の中には周辺とは比べ物にならないほどにヤマタイミンガサ、モミジガサなどの草本植物がたくさん咲いています。昔はこの風景が一般的だったのですが、柵なしでは草本植物を生育できないくらいに鹿の増加が顕著になっているということなのです。